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安倍元首相が米国で講演「中国はレーベンストラウムを追求」、日本の対抗策は何 [外交]



◆ 中国、「ナチスと同列視は荒唐無稽」と安倍元首相を批判(産経新聞 2010.10.20 01:13)

 久々に安倍くんが吠えた。
 東シナ海(East China Sea)などにおける中国海軍の拡大について、「1980年代から、中国の軍事戦略は『戦略的フロンティア』という考え方に基礎を置いてきました。一言で言えば、この危険な考えは国境や排他的経済水域(EEZ)は国力で決定づけられるというものであり、中国の経済が成長を続ける限り、その勢力範囲は拡大を続けるとするものです。これをドイツの概念『レーベンストラウム』と結びつけて考える人もいるかもしれません」と述べた。(以上 一部AFP)

 問題は何ゆえに中国が海軍力を背景に排他的経済水域を拡大し続けるかである。自国の経済発展に必要な資源確保が国策となり、これをなりふり構わず世界中からかき集めようとしている。日本も戦前は、大東亜共栄圏の確保(=資源の確保)が日本の繁栄につながるという理屈で、中国、東南アジア、南洋諸島に侵略した。その後の結果は、米国を中心とした連合国側に圧倒され、無条件降伏した。何故か、今の中国が似たような発想で、周辺諸国との軋轢も顧みず、軍事力を背景に無理矢理自国の主張のみを実現しようとしたからである。何処まで自国の経済圏を伸ばそうとしているのか、無気味であり、軍事的な抑止力を米軍に頼っている日本などは、赤子の手をひねるようなもので、どこまでも進出してきそうである。

 日本は中国の分析ばかりしていて、現実的な対抗措置をとろうとしない。いや執れない。日本には自衛隊があるが、今回の尖閣騒動においても、全く話題にのぼってこない、ということは何を意味してるのか。あたかも日本には自衛隊という軍事力を持つ組織を持ち、毎年5兆円以上も税金をこの組織にかけているのに、中国海軍への対抗として自衛隊を使わず、日米安保を持ちだす感覚が全く分からないのである。意図的に話題にしないのは、中国を刺激しないためというより、自衛隊だけでは全く戦力として中国に対抗できず、米軍に頼らざるを得ないのか。それとも、米軍などに支援を仰がなくても、自衛隊だけで対応できるだけの軍事力があるということが、中国に、米国に知られることがまずいのか。この辺りの事情がどうにも、不明確であり、何かを意図的に隠しているのである。

 尖閣諸島海域は日本の固有の領土であると主張するのであれば、海上保安庁に警備をまかせるのでなく、自衛隊が海上パトロールすればいい。現実には、中国を刺激するのでできない。タテマエとホンネを使い分ける国であるから海外からみても、分かりにくい国である。
 中国の外交姿勢は、〝相手が悪い〟で突っ張る。日本はいつも、〝相手に悪い〟で、阿吽の呼吸での解決を謀ろうとする。しかし、中国には、〝阿吽の呼吸〟は通じない。さて、どうする。

 
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通りすがりです

 安倍元総理も政治家ならば、今正面きって中国と喧嘩するのは、国益に適わない、ぐらいのことは分かるはずと思うのですが…。
 こういう挑発的な発言が、中国の利上げのきっかけを作ったのかも?
 安倍元総理が右翼だということは、知っていましたが、いい加減にして欲しいと思います。
 大体、日本の旧軍事独裁政権を懐かしんでいて、大東亜共栄圏構想を否定しない元総理に、こんな批判をされたら、中国だって、「自分がそうだからと言って、勝手に人を判断するな」と言いたくなるだろうと思います。
 安倍元総理は、中国を怒らせることで民主党政権が困れば、今週末の北海道の選挙で勝てると思っているのかもしれませんが、そのためなら、日本の庶民が困ったり、不安になったりしても良いのでしょうか?
 私は、軍事独裁政権の復活など御免です。民主党に頑張って欲しいです。


追伸  少し話しが変わりますが、関連した話なので、書かせてください。
 奄美地方が豪雨で、冠水のため避難できない人々が大勢いるそうです。
 救助要請の中には、「屋根の上に避難している」とか、「冠水した中で、墓石につかまっている人が7人いる。救助して欲しい」などの、切迫した救助要請もあったそうです。
 でも、消防車は道路の冠水のため近づけず、ヘリコプターも、気象状況の悪さのため飛べないとか…。
 また、設置電話も、携帯電話も、使い難い状況だそうで、安否確認が難しくなっており、しかも現地は停電している所もあるとか。
 非常に心配です。

 それなのに、陸自海自の対応は遅いと思います。ヘリコプターが飛ばせなくても、船で奄美に向かい、投光器で灯りを確保して、ゴムボートなどで、緊急性があると思われる地域にだけでも、救助に行ってくれれば、と思うのに、あるいは、救助要請が多すぎて、人手不足になっていそうな消防を、サポートする仕事だけでも、してくれれば、と思うのに、自衛隊は、ヘリが飛べないから待機なんだそうです。
 防衛庁から防衛省になったから?国境線を守るのには熱心でも、国民の命を守ることには熱心でなくなった?と思ってしまいます。(それだったら防衛庁の方が良かったです。)

 現地では、今夜も豪雨の恐れがあるそうです。奄美の人々のご無事を祈ります。

by 通りすがりです (2010-10-20 21:23) 

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