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崩壊・特捜検察:隠ぺい事件起訴/下 幹部「大阪は解体だ」 [事件]

 ついに、大阪特捜検察の「解体」が現実味を帯び始めた。筆者は今回の、証拠改ざん事件の勃発倒誌より検察特捜解体を主張している。大阪特捜解体はその第一歩である。何故、解体かというと、無くなって我々の生活でなにか困るか、という素朴な疑問である。政治家絡みの贈収賄事件や、大手企業の粉飾・脱税事件の捜査が困難になるという議論があるが、警察にこれらの分野の専門組織を作れば済む問題である。検察特捜組織が存在することによる弊害、特に免罪事件の乱発による人権侵害の方がはるかに、罪つくりであり、このような〝超犯罪〟を生み出す組織をこのまま存続させることは、社会悪である。
 検察特捜組織化のきっかけは、戦後、旧日本陸軍所有の物資(燃料、食料、金属など)が隠され売りさばかれていたことが発覚した事件の捜査であり、その後に政治的事件を手がけるようになり、当初の目的は終っていたにもかかわらず、他の分野に手を伸ばし存続してだけであったのだ。歴史的使命が終わった組織は消滅させるべきである。

 毎日新聞記事『崩壊・特捜検察:隠ぺい事件起訴/下 幹部「大阪は解体だ」』の記事を全文掲載する。
<<◇「犯罪者喜ばすだけ」慎重論も
 「大阪特捜は当然、解体だ」

 大阪地検特捜部の前部長、大坪弘道被告(57)=犯人隠避罪で起訴=の逮捕から一夜明けた今月2日。法務・検察幹部は早くも「特捜解体論」に言及していた。終戦後の1947年に東京、57年に大阪、96年には名古屋に設置された地検特捜部。「独自捜査の牙城」として政官財の不正を摘発した歴史を誇るが、幹部は「名古屋もいらない。問題は東京をつぶすか、残すかだ」と言い切った。

 特捜部をなくすことには、慎重論も根強い。弁護士で民主党の辻恵衆院議員(62)は「特捜をつぶすと捜査現場を知らない『赤レンガ派』(法務官僚)が強権的になるだけ」と危惧(きぐ)する。最高検のある検事は、東京だけに特捜部を残し、大阪の事件にも対応することに疑問を呈する。「大阪は地の利がないと捜査できない。東京から急に行って、捜査しろというのは無理だ」と話す。

 知能犯事件の摘発で、大阪地検特捜部とライバル関係にある大阪府警捜査2課。ベテラン刑事は「財務の知識が必要な捜査は警察だけでは無理。特捜部をなくしてはいけない」と力説した。

 特捜部の担当する案件の一つに「脱税」がある。大阪国税局の関係者は「大坪さんは難しい事件でも嫌がらず告発を受けてくれた」とかつての“盟友”を思いやる。「特捜部がなくなると、脱税事案はどうなるのかなあ」と不安げだ。

 談合事件で摘発された経験のある大阪府内の建設業者は「捜査される側」の角度から特捜部は必要とみる。「特捜がなくなると公共工事がらみでごそごそ動き出す業者が出てくる。警察は予算を握る知事がらみの事件などはやりにくい。特捜じゃないと摘発できない犯罪もある。特捜解体は犯罪者を喜ばすだけ」

 検事による証拠品改ざんという衝撃的な事実から「特捜解体」が論議の俎上(そじょう)に載ったが、「この体質は今に始まったことではない」という冷ややかな声もある。強大な権限にあぐらをかき、正義感がむしばまれているという指摘だ。

 「シュレッダーにかけとけや。そんなもん分からへんよ」。大阪地検特捜部に10年以上在籍し、数年前に辞めた元検察事務官は、特捜部時代に上司から言われた言葉を思い出す。事件の構図に合わない資料を、握りつぶすよう指示されたという。「銀行捜査もろくにせずに贈収賄だと見立て、都合の悪い書類はシュレッダー行き。おれが書いた報告書も捨てられた。そんな人間が特捜部では『使い勝手がいい』と重宝される」と内幕を明かす。

 「特捜部には栄光の時代もあったけど、今は正義感を持った検事や事務官があまりにも少ない。もう特捜なんてつぶしてしまったらええ」と古巣を突き放した。

     ◇

 この連載は藤田剛、久保聡、苅田伸宏(大阪社会部)、山本将克、野口由紀(東京社会部)、蓬田正志(福島支局)が担当しました。>>

(以上 毎日新聞 2010年10月24日 朝刊)

 

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