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年金行政の破綻をすべて厚生年金保険料でカバーしようとする年金官僚の発想に仰天だ! [年金]

 先週、新聞誌上を賑わした『年金』に関わるニュースは次の3件。

<AIJ損失>「厚生年金保険料で補填」政府・民主検討(毎日新聞)

年金一元化:15年10月、共済を厚生に統合--政府方針(毎日新聞)

<厚生年金>「非正規」45万人に拡大 政府、民主党が決定(毎日新聞)

この3件の記事は、無関係に見えるが、すべて微妙に繋がっている。

 現行の「世代間の助け合い」方式の年金制度が、破綻するのは目の前であるのに、なんとしてこの制度を維持し、犯短宣言を先送りしようとしているのである。

 まずは、AIJ詐欺事件について。当初厚労省は、民間会社の自己責任だ、とタカをくくっていた。中小企業の年基金のカネなどどうなっても眼中になかったのである。ところが、関係者に、年金役人OBがその中小企業の基金の運用担当として600人以上天下っていた、という報道がされてからガラリと風向きが変わり、投資家の自己責任の原則はどこえやらで、救済策が報道されるに至った。そしてその救済策が、厚生年金保険料でまかなうという、とんでもない案を年金官僚どもは提案してきた。どこまで民間会社に勤めているサラリーマンをバカにしているのか。怒りに目が点となり、何度もその記事を見直し、読み間違いでないことを確認するとさらに怒りは倍加した。予定利率以上の収益が出た場合には、自分の懐にいれて、博打に賭けた掛け金をすってしまったら、その金を補填するなど、どこの世界の話だ。その行為をおこなった者だけで、すった金の補てんを考えるのが、どうみても筋だろう。全く関係のない民間会社の年金保険料を補填に使うなどもってのほかである。

  そして、共済年金保険の厚生年金への一元化の記事である。過去、国は国営会社の民営化に伴い、共済から厚生への一元化を謀ってきた。その結果としての現実は、共済年金からの受給額より、厚生年金から受給額が大幅に減るということを民営化されたOBからきくにおよんで、公務員は不作為の抵抗を続けて、お得意の〝先送り〟を続けてきたのである。何故ここで一元化の話が急浮上してきたのか。共済年金こそ破綻の淵にあるからである。公務員ということは、支給される給与は、すべて税金。年金も『世代間の助け合い』方式であるから、今後の膨大な団塊世代の支給年金をまかなうことは不可能なのだろう。共済年金の収支は、官僚の厚い壁に阻まれて、実態がよくわからのである。しかし、積立金の話はなく、現在の年金支給は、現役世代の保険料と毎年の税金予算のなかに組み込まれている。共済年金が厚生年金よりも約月額5万円ほど支給額が多いという資料(厚労省作成)を目にしたのだが、どこかに消失してしまった。

 そして、今回の一元化の目的は、支給レベルを共済年金時代とそれほど変わらないようにするために、〝職域加算〟という制度を残すために、これを厚生年金保険料で賄うという仕組みを年金官僚どもは考えているのである。また、大幅に減少しているとはいえ、まだ積立金が豊富にあるうちに一元化を果たそうとして、現行のおいしい制度をできるだけ残そうとしているのである。しかし積立金が底をつくのも時間の問題で、現行制度の破綻も時間の問題だ。一元化は、税金投入を厚生年金保険料という科目にすり替えようとしている役人の策略である。

  そして、最後の、パートさんの厚生年金加入だ。これは現在の扶養者の3号保険者を1号保険者にして、年金保険料の拡大を謀りたいという年金官僚の発想である。なんども、書くが現在の年金制度は、目の前の支払い保険料が即、受給者への年金となる制度なのであるから、言い方をかえると、直近の保険料が増えることは、現行制度の延命にすこしだけ貢献するということである。しかし、保険料を支払った方が、年金をいくら受け取るという計算は、あくまで机上の空論で、現行制度でいえば、少子化進めば、年金保険料は大幅に減るから、受け取れる年金も大幅に減額されるということになる。その兆候は、支給開始年齢の引き上げという、払うに払えないという現実の逃避を図ろうとしているのである。

  年金役人の不祥事、年金役人OBの不祥事がいつも厚生年金保険料で賄われるという仕組みはどこかおかしくないだろうか。


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