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緊急地震速報の空振りはなぜ? 「同時発生」「地震計ダウン」精度落とす [事故]

 筆者の居住地域は北関東の田舎で、3.11地震では震度6強を記録した。あの地震以来、毎日、震度3以上の余震を経験している。余震の震源地が次第に南の方に降りてきている。そして、緊急地震速報の精度が低いということが、今回はどのくらいの大きさかを判断する際に参考にしようとしているのだが、空振りが多すぎるのである。外れると、また〝狼少年か〟ということになる。

 そこで、その原因を報じた記事を見つけたので全文掲載する。
要点は、①2地点同時の地震に対応できていない、②地震計そのもが3.11の地震で壊れている、という2点である。もうひとつは、1分以上の長い振動の地震には対応できていない、ということらしい。東日本大震災は、とてつもない超大地震であった、ということを物語っている。尚、津波の速報も、波高を測る計器の故障続出で、何メートル津波が来るという予測も再考を迫られている。


緊急地震速報の空振りはなぜ? 「同時発生」「地震計ダウン」精度落とす
産経新聞 4月23日(土)18時19分配信
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110423/dst11042318010030-n1.htm

 「東日本大震災が起きてから緊急地震速報が出る回数が増えていますが、速報が出ても揺れを感じないことが何度かありました。なぜ速報が空振りに終わってしまうことがあるのでしょうか。速報の精度を上げることは可能なのでしょうか」=東京都渋谷区の男性会社員(33)


6割以上が震度2以下の「不適切」


 「緊急地震速報が出ました」。テレビや携帯電話から警報音が鳴り響き、大きな揺れに備えて身構える。3月11日の東日本大震災以降、東北や関東地方で繰り返されている光景だが、身体を硬くしたものの揺れを感じなかったケースは少なくない。気象庁管理課の担当者も「速報の精度が落ちている」と認める。

 緊急地震速報のシステムは地震の初期微動(P波)が、大きな揺れ(S波)より地中を進む速度が速いことを利用。震源に近い地震計がP波を検知した直後から震源やマグニチュードを推定し、到達時刻や震度の予測を開始する。全国を約200の地域に分割した上で、2地点以上の地震計で揺れを観測し、震度5弱以上の強い揺れが予測される地域と、震度4が予測されるすべての地域に速報が出される。

 気象庁は震度の予想について1階級程度の誤差を見込んでおり、速報を出したすべての地域で震度3度以上を観測した場合は速報を「適切」、同地域のうち一つでも震度2以下を観測した場合は「不適切」と位置づけている。

 気象庁によると、3月11日から発表した緊急地震速報は4月19日時点で、大震災を含めて68回に上る。63%に相当する43回は震度2以下の地域がある不適切な速報で、うち17回は全地域が震度2以下だった。大震災前の不適切な速報の割合は29%で、大震災を契機に大幅に精度が落ちたことは明らかだ。こうした速報で身構え、「空振りだった」と感じた人も少なくないだろう。

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 一方で、最大震度5弱以上を観測した地震36回のうち、11回は速報が発表されなかった。

 大震災以降に速報の精度が落ちていることについて、気象庁管理課では「余震の多発」を原因の一つに挙げる。


最大震度4以上は100回超


 気象庁によると、東日本大震災の余震は岩手県沖から茨城県沖までの南北約500キロ、東西約200キロの広範囲で集中して起きており、本震から24時間は通常の500倍以上の頻度で発生。これまでに最大震度4以上を観測した余震は100回を超える。3月11日以降の地震についてまとめた震央分布図からも、活発な余震活動の状況が伺える。

 複数の余震がほぼ同時に発生していることも多いが、緊急地震速報のシステムはこうした同時発生の地震を想定していない。複数の小さな地震を一つの大きな地震として解析してしまうため、広い地域で大きな地震が起きると予測してしまうこともあるという。

 気象庁によると、不適切だった速報43回のうち、31回は余震の同時発生で予測に誤差が生じた。気象庁では同時発生の地震のデータ分析を行った上で、速報システムのプログラム改善を進める方針だが、「ただちに対応することは困難で、早くても改善に数カ月はかかるだろう」としている。

 残りの12回は地震計のダウンなどが原因とみられる。気象庁の地震計約240カ所のうち19カ所は、大震災による停電や通信回線の途絶で一時的に利用できなくなった。そのため、分析データの不足などが原因となり、予測に誤差が生じたという。気象庁は非常用バッテリーの容量強化も検討する。

  抜本的なシステム改善のめどが立っていない状況であり、広範囲な余震活動が続く限り、受け手が「空振り」と感じる速報が出される可能性がつきまとう。

 「速報の空振りが続くことでオオカミ少年効果が生まれ、速報が出ても『またか』と警戒しなくなることが懸念される」

 こう話すのは東京大学総合防災情報研究センターの鷹野澄教授(地震防災)。鷹野教授は「緊急地震速報は少ない情報から一刻も早く予測を出すという性格のものであり、空振り、誤報はやむを得ない」と指摘した上で、「速報が出たら安全を確保するための行動に努め、実際に揺れを感じなかったら『良かった』と考えるぐらいの感覚を持ってもらいたい」と訴える。

 これまでに揺れの強かった地域では、余震による土砂災害や家屋の倒壊などの危険があり、気象庁も「速報が出たときには地震が起きていることは確かなので、身を守るために揺れに備えてほしい」と呼びかけている。(高久清史)

◇ 東日本大震災:地震速報“正解”は3分の1 気象庁

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