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東日本大震災:広がる短期雇用創出 キャッシュ・フォー・ワーク [トレンド]

東日本大震災:広がる短期雇用創出 キャッシュ・フォー・ワーク
毎日新聞 2011年9月19日 東京朝刊

 この記事は現地で最も必要とされる雇用創出のための手段を具体的に示している。やっとこの記事が出てきたので書くが、いつまでもボランティア(無償労働行為)に頼っていてはだめなのである。労働行為に対して、報酬を支払う制度を確立すれば、自立への助けになるはずである。被災されたかがたをいつまでも〝お客さん〟扱い(もちろん、体が不自由な方々は除く)は、失礼であろう。動ける方は動いて、報酬が発生すれば、復興への思索、援助に繋がるはずである。

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 ◇リヤカーで販売/子供の遊び相手/がれき撤去

 ◇復興事業「地元で」被災者自立

 「地元で働きたい」。東日本大震災の被災者の声に応えた短期雇用創出が各地で進んでいる。復興関連事業に雇用することで自立を助けるとともに、地域経済の復興にもつなげる「キャッシュ・フォー・ワーク」(CFW)という支援策だ。

 「こんにちはー。リヤカー販売です」。福島県相馬市の主婦、加藤昌美さん(30)がハンドベルを鳴らしながら市内にできた仮設住宅を1軒ずつ回る。年配の被災者が集まり、リヤカーに積まれた野菜の品定めで会話が弾んだ。車いすの女性は「待ってたよ」と笑顔を見せた。

 県の委託を受けたNPO法人「相馬はらがま朝市クラブ」が実施する買い物支援サービスだ。メンバー約20人は平日の午前8時半から午後5時まで時給900円で仮設住宅の巡回や障害者の生活支援を行う。加藤さんは「主人が勤めていた工場も被害を受けたので働けるのは助かる。それに、人の役に立てるのはうれしい」と話す。

 県は約30億円の予算を計上する「“絆”づくり応援事業」で、来年3月まで2000人以上の短期雇用創出を目指す。仕事は「除染作業」「子どもの遊び相手」「仮設住宅の世話役」など。自治体やNPOから要望を受け、地域ごとに必要な仕事を設定する。雇用されるのは高齢者や女性が多い。県雇用労政課の菅沼孝雄課長は「ボランティアもありがたいが、被災者は仕事がないと住み続けることができない」と説明する。

 CFWのきっかけは80年代のアフリカの大干ばつへの支援策。食料援助だけでなく、復興を促進するため植林などの労働を課す「労働対価による食糧支援(フード・フォー・ワーク)」が唱えられた。その後、労働の対価として金銭支援することで被災者の尊厳や自立を保つことができるとしてCFWが注目されるようになった。

 同様の取り組みは被災した各地で進んでいる。岩手県陸前高田市では重機免許を被災者約120人が取得し、がれき撤去に当たる。宮城県石巻市などでもNPOが独居高齢者宅のがれき撤去などに被災者を雇用した。

 永松伸吾関西大准教授(災害経済学)は「労働を確保することが被災者の希望につながる。今後はスキルアップにつながる活動が増えれば」と話している。【高橋直純】


毎日新聞 2011年9月19日 東京朝刊
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