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東日本大震災:福島第1原発事故 子供被ばく線量、学校「1ミリシーベルト」混乱 [放射能汚染]

東日本大震災:福島第1原発事故 子供被ばく線量、学校「1ミリシーベルト」混乱
毎日新聞 2011年6月5日 東京朝刊

 「20ミリシーベル」問題は、ますます混迷を深めている。母親にしてみれば当然の反応である。その場しのぎで、出され続けてきた国の基準値の安易な高い数値への変更の裏側が見透かされてきた。放射能汚染を〝風評被害〟と言いくるめ、〝当面の健康被害はない〟と長期的な将来的な健康被害への言及は避けてきた。ここにきて、放射線量の基準値設定のいい加減さが国民にも見透かされてきた。国民の健康よりも被害補償の金勘定に忙しいらしい。この国は国民の健康を守ろうとしないらしい。そうであれば、偉そうに、北朝鮮の脅威だのと〝安全保障〟を論じ、多額の安全保障保険料は一体何だったのだ。今こそ、放射能戦争から国民を守るために、金を使うべきだろう。放射線量の基準は、原発事故前に戻すべきである。

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 ◇校長「どの数字信じれば…」 母親「今まで浴びた分、説明を」

 東日本大震災による福島第1原発の事故で、福島県内の子供たちが受ける放射線量を巡り、国と学校現場が混乱している。文部科学省は5月27日に「今年度、年間1ミリシーベルト以下を目指す」とする新たな目標を決めた。年間20ミリシーベルトを上限とする基準への不信感解消が狙いで、専門家からのヒアリングも進めている。だが、突然の目標設定に学校は困惑し、保護者の不安は根強いまま。教育委員会も「『1ミリシーベルト』の数字が独り歩きしないようにしてほしい」と訴えている。【木村健二、渡辺諒、長田舞子】

 「子供たちの生活は学校だけではない。1ミリシーベルトを目標としたからには、具体的に何をしてくれるのかを明確にしてほしい」。3日、年間20ミリシーベルトの上限値撤回を求める保護者らが東京・霞が関の文科省で担当職員と向き合った。1歳の長男を連れて参加した福島県須賀川市の主婦(31)は、1ミリシーベルトの目標設定を歓迎しながらも、学校外での低減策も訴えた。

 同省は4月19日、学校の夏休みが終わるまでの放射線量の目安を年間1~20ミリシーベルトとし、毎時3・8マイクロシーベルトを超えた場合に屋外活動を1時間に制限する基準を出した。

 だが、保護者らの不安は収まらない。民主党文部科学部門会議は5月26日に「『年間1ミリシーベルト』を目指すとの文科省方針の文書化を求める」と緊急提言した。座長の松崎哲久衆院議員は「『1ミリシーベルトを目指す』と文章化することが安心を高める」と説明する。これを受けた高木義明文科相は翌日、目標を発表した。

 驚いたのは福島県の学校だ。福島第1原発の北西約60キロの二本松市。市教委は既に独自に上限を「10ミリシーベルト」に引き下げ、屋外活動の目安を幼稚園1時間▽小学校2時間▽中学校3時間と設定。同月26日付で各校に通知していた。

 その翌日、文科相の発表があった。市立杉田小の小浜伸校長は「一体どの数字を信じればいいのか」と困惑する。同校では市教委の通知に従い2時間程度の屋外活動を予定していたが「校庭での体育や自然観察などは、ほとんどできないことになるだろう」。佐藤宏幸PTA会長も「安全性に対する国の姿勢がコロコロ変わるようでは怖い」と話す。

 文科省の目標値には「今年度」と「学校」という条件がついている。放射線量がピークだった3月11日から4月14日の始業式までは除外されている。子供の生活に即した推計では、ピーク時の期間だけで2・56ミリシーベルトになるとの同省の試算さえある。

 福島市内でも空間放射線量値が高い渡利地区の学校に3人の子を通わせる酒井隆子さん(38)は「長女が高校受験を控え、簡単には避難できない。1ミリシーベルトが目標になれば、学校や自治体に対策を求めやすくなるだろうが、既に浴びてしまった放射線量をどう考えればいいのか。国に説明してほしい」と不安を口にする。

 福島市教委は「数字が独り歩きして『1ミリシーベルトを超えると危険』と思われると、かえって子供たちの教育環境に影響が出るおそれがある。国は『1ミリシーベルトはあくまで目標で、超えるとすぐに危険というわけではない』と、保護者に丁寧に説明してほしい」と訴える。

 文科省は「1ミリシーベルト」の目標達成に向けて動き始めたが、原発の安定化が必須の条件。混乱の収束は見えない。
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