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東電が社史で自賛していた福島第一原発の虚しき「安全神話」 [原発事故]

 今となっては、漫画のようなフクシマ第一原発の「安全神話」。東電の社史で自画自賛していた「安全神話」のおとぎ話を全文掲載しておこう。

 (週刊朝日 2011年04月29日号配信掲載) 2011年4月21日(木)配信

「当社の先見性と決断の成果」 「事故対策は考えられないケースまで仮想」 「チェルノブイリはありえない」 

人類史上最悪の「チェルノブイリ」と同列の「負の遺産」として歴史に刻まれることになった福島第一原子力発電所は、東京電力にとっては原子力発電の原点でもあった。その計画から稼働に至るまでの経過は、社史では輝かしい「成功物語」として記録されていた。驚くべきその中身とは──。 

 奥付に小さく〈非売品〉と書かれた『東京電力三十年史』は、1160ページ超の大作だ。1981年に東電が創立30周年を迎えるにあたり、79年7月に発刊が社内で企画され、83年3月に刊行された。

〈できるだけ客観的に記述することを基本とし〉、と巻末にある。だが原発に関する記述には、「客観」とは程遠い、自賛の文が続く。

 福島第一原発ができる経緯は、〈原子力発電の幕開け〉と題した一節に細かく記されている。

〈当社は、(略)内外の諸情勢を考慮し、原子力開発に踏み切るべきであると決断し、昭和三十年代の前半には具体的な発電所候補地点の選定を始めていた。火力発電の石炭から石油への転換が行われ、新鋭火力の大容量化が進められようとしている時代に、このように他に先駆けて先見的に行動を開始したことは特筆されよう〉

 原発の立地候補として、東電は首都圏に比較的近い茨城、福島両県の沿岸に着目した。一方、独自に原発の誘致を検討していた福島県は、かつて陸軍航空隊の基地があった太平洋沿岸の段丘上の平坦地を最有力地点として示した。現在、第一原発がある双葉、大熊両町にまたがる地域だ。

 1号機の本格的な建設工事は67年1月に始まった。社史はこう伝える。

〈大熊、双葉地域の海岸線は、標高約三五メートルの切り立った丘陵地で、太平洋の波浪が四六時中断崖を洗っており、この強烈な破壊力に逆らって、直接外海に向かって防波堤を突き出して港湾をつくり、冷却水の取水と重量物の荷揚げに備える構想は、当時、発電所建設地点としては世界にも例をみないものであった。これをあえて断行したのは、当社の先見性と決断によるもので、この方面の権威者の指導のもとに、設計はもとより施工方法に至るまであらゆる面にわたり研究を重ねてきた当社土木技術陣の努力の成果であった〉

〈工事中、幾たびか大波に見舞われて荒狂う海に近づくこともできず、ただ崖の上から、荒波にたたかれている未完成の防波堤を幾日も見守っているもどかしさ、そして台風一過、静かな洋上に防波堤の無事な姿を見た時の感激など、この難工事に携わった関係者全員の一生の思い出となっている〉

 荒れ狂う大波が押し寄せる地に、原発を建てることへの疑問は一切ない。

 原子炉は米国GE(ゼネラル・エレクトリック)社の沸騰水型炉(BWR)を採用。タービンと発電機は同社工場の長期ストライキなどで予定より半年遅れて入荷、70年9月に据え付けを終えた。

〈これらの工事のためにGE社から派遣された技術者は、最盛期には六〇名にも及び、家族同伴者も多く、発電所敷地内には宿舎、教会、小学校などが設けられ、GE村ができあがった。(略)多いときは家族づれが二四世帯、小学校の専任教師三名も来日するなど、浜通りに突如として米国人社会が出現し、地域の大きな話題となった〉

 1号機は71年3月26日、ついに営業運転を始める。

〈「おめでとう」「コングラチュレーション」などのお祝いと喜びの歓声が、日米関係者の間でわき上がり、長い間の労苦が一気に消し飛んだ。三十年十一月に原子力発電課を設置し、原子力開発に取り組み始めてから、実に一五年四か月の歳月を要したこととなる。一号機の完成は、まさに当社原子力の出発点であると同時に、将来への跳躍台でもあった〉

 社史編纂の企画が持ち上がったのと同じ79年の3月には、米国のスリーマイル島原子力発電所で事故が起きている。『三十年史』はこの事故について、〈原子力の安全性、信頼性について、社会に多大の心理的影響を与え、原子力に対する信頼を回復する必要が生じた〉

 と触れている。

 東電は社長を議長とする原子力保安対策会議を新たに立ち上げるなど安全対策を強めたというが、一方で、この事故を〈炉型の違いにより当社では起こり得ない事故〉と結論付けている。

 さらに、〈安全管理に対する当社の姿勢〉という見出しがついた一節には、いまとなっては驚くほかない記述が並んでいる。

〈事故対策としては、技術的見地からは考えられないケースまでを仮想して安全対策を立てていることが、原子力発電所の特徴の一つである。このため当社は、多重防護の考え方に立って、異常な状態の発生を防止することを第一とし、それが拡大して事故へと発展することのないよう、さらに万一事故が発生した場合にも公衆の放射線災害を防止できるよう、多重の防護策を講じている〉

〈原子力の安全に関しては、多くの法令や基準などが整備されているが、当社はこれらを遵守することはもとより、国際的な勧告などを先見的にとらえ、新開発の安全手法や技術を積極的に採用し、さらに内外の原子力発電所の事故や経験を教訓として安全確保対策に反映させてきた〉

 また、発電所で働く人々の放射線防護については、こう断言する。

〈被曝低減のための設備改善、適切な放射線作業の管理、作業員の教育訓練などの各面にわたって十分な対策を実施し、放射線の管理体制の強化を図っている〉

 いま福島第一原発で懸命の復旧作業を行っている作業員たちがこれを読んだら、どう思うだろうか。

 チェルノブイリで史上最悪の原発事故が起きたのは86年で、83年に発刊された『三十年史』にその記述はない。だが、それから19年後の2002年、東電の創立50周年を機に編纂された『関東の電気事業と東京電力 電気事業の創始から東京電力50年への軌跡』のなかで、わずかながら触れられていた。

〈1986(昭和61)年4月のチェルノブイリ原子力発電所の原子炉破損事故は、原子炉の炉型も日本のものとはまったく異なり、わが国では考えられないような人為的ミスが引き起こしたものであったにもかかわらず、その被害の深刻さは日本国内でも大きな波紋を呼んだ〉

 スリーマイル島同様、「炉型の違い」「ありえない事故」と一蹴。まるでひとごとだ。

 だが福島第一原発の事故は、いまやチェルノブイリと同じく最悪の「レベル7」と評価されている。社史の記述も当然、改められなければいけないだろう。この先、東京電力に新たに社史を編むような未来があればだが。 (本誌・佐藤秀男)


 

【チェルノブイリ原発】「原発は安全だと聞かされてきた…」危険隠蔽にゴルバチョフ氏憤り 旧ソ連機密文書  [原発事故]



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 日本は、昔から非核三原則(ひかくさんげんそく)を掲げ、「核兵器をもたず、つくらず、もちこませず」という三つの原則からなるものをしきりに唱えて、米軍の核の持ち込みを黙認してきた。
 今、この三原則を「原子力発電所をもたず、つくらず、廃止へ」ということにしたい。

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 こんにちは。田中好子です。きょうは3月29日、東日本大震災から2週間経ちました。被災された皆様のことを思うと心が破裂するような、破裂するように痛み、ただただ亡くなられた方々のご冥福をお祈りするばかりです。  私も一生懸命病気と闘ってきましたが、もしかすると負けてしまうかもしれません。でもそのときは、必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。それが私の勤めと思っています。  キャンディーズでデビューして以来、本当に長い間お世話になりました。幸せな、幸せな人生でした(涙ぐむ)。特に蘭さん、美樹さん、ありがとう。2人が大好きでした。  映画にもっと出たかった。テレビでもっと演じたかった。もっともっと女優を続けたかった。お礼の言葉をいつまでもいつまでも伝えたいのですが、息苦しくなってきました。  いつの日か、妹、夏目雅子のように、支えて下さったみなさまに、社会に、少しでも恩返しができるように復活したいと思います。かずさん、よろしくね。その日まで、さようなら。

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