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1号機、津波前に地震に揺れで重要設備損傷か 原子炉建屋で高放射線量蒸気を検出していた [原発事故]

1号機、津波前に重要設備損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気
2011/05/15 02:02 【共同通信】

 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。

 第1原発の事故で東電と経済産業省原子力安全・保安院はこれまで、原子炉は揺れに耐えたが、想定外の大きさの津波に襲われたことで電源が失われ、爆発事故に至ったとの見方を示していた。

 地震による重要設備への被害がなかったことを前提に、第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。

 関係者によると、3月11日夜、1号機の状態を確認するため作業員が原子炉建屋に入ったところ、線量計のアラームが数秒で鳴った。建屋内には高線量の蒸気が充満していたとみられ、作業員は退避。線量計の数値から放射線量は毎時300ミリシーベルト程度だったと推定される。

 この時点ではまだ、格納容器の弁を開けて内部圧力を下げる「ベント」措置は取られていなかった。1号機の炉内では11日夜から水位が低下、東電は大量注水を続けたが水位は回復せず、燃料が露出してメルトダウン(全炉心溶融)につながったとみられる。

 さらに炉心溶融により、燃料を覆う被覆管のジルコニウムという金属が水蒸気と化学反応して水素が発生、3月12日午後3時36分の原子炉建屋爆発の原因となった。
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 ここ至ってやっと1号機損傷の具体的な状況がわかってきた。炉心を冷却するために水を注ぎ続けていたが、一向に水位が上がらないのだから、素人でもどこからか漏れているとわかる。これが、わかるまで2カ月かかったことになる。新聞報道の記事(毎日新聞2011年5月15日朝刊)「1号機汚染水 格納容器から漏出か」によると、これまで1万立方メートルの水を注いで、5千立方メートルの水が行く不明で、今回1号機の原子炉建屋地下1階で約3千立方メートルを発見した、とある。残り2千立方メートルはいまだ不明とある。1号機は〝水棺〟を予定しているというが、すでに燃料棒は溶融していて水に押し流されて格納容器だけでなく、底にある制御棒を駆動させる装置も損傷していて、そこからも漏れ出し、今回発見された地下1階の行く不明水の中に大量の放射性物質が含まれていることになる。工程表で予定している〝水棺〟作業だけで、廃炉に移行できるのだろうか。

 そして、2号機、3号機も燃料の溶融の可能性が大である、と報じられ始めた。いつになったら事故の全貌がわかるのか。そして、爆発直後の発表された情報は、一体、何に基いて発表していたのか。

 今日も誰かが発言していたが、今回の新たな展開を見て、改めて原発事故の解決能力が、東電にはないのではないか。いや、日本の技術陣の中にもないのではないのか。解決能力がないなら海外からのヘルプを受けるべきである、との主張である。今の状況は、制御不能(=out of control)の状況が事故発生直後から、今まで続いている、とみる。

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◇ 福島第1原発:格納容器から漏出か…1号機汚染水

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